放課後、一人で帰ろうとしていると、昇降口から出るギリギリで千広君を見つけて、あたしは迷わず声をかけていた。

「今日も部活か」

「そうですね」

「千広君が弓引いてるとこは、遠くから見たことしかないんだけど、カッコ良かった」

「……ありがとうございます」

 本当にカッコ良いんだから、こういう言葉は言われ慣れているのか、千広君は慌てたり、赤くなったりしない。