「……私と出かけたりしても大丈夫なの……?」

「大丈夫」

「本当に……?」

「うん」

 キホは不安そうな顔をしても、今俺の事情を告げることはできずに、下駄箱からスニーカーを出した。

「キホは気にしないでね」

「……うん」

「俺は、キホの近くにいたいから」

 今はまだこれが、精いっぱいだ。