行かないでくれ。俺のそばに居てくれ。

そう言えたら、どんなに楽なんだろうか。

言えずにいる俺は、これが罰だと分かっているからいえない。

俺は姫のことを本気で愛した。

愛に偏見を持ち、愛してると言われただけで吐き気もする。

だが、あの子と出会ったおかげで知った。

俺は孤独を慣れていると思っていたが、本当は違っていた。

怖かった。

それを姫は気づいた。

だから、俺に教えてくれた。

どんな俺でも愛してくれた。

それなのに俺は壊してしまった。

ごめんと言ったって、お前は帰ってこないのに。

帰ってくる夢を見る。

「ただいま!もう赦すよ。」

そう言って、俺を抱きしめてくれると期待してしまう。

それは叶わないことなのにね。