来年も再来年も、ずっと一緒に。

 わたしはぎりっと奥歯を噛みしめると、ぐいっと亮ちゃんの胸を押し返してその拘束から逃れ、真正面から睨みつけた。

「何言ってるの? そんなのダメに決まってるでしょ!? 映画監督になるって夢を叶えるために、アメリカに留学するって決めたんだよね? わたしは、そんな亮ちゃんを応援するんだって決めたんだから。だから……ちゃんと待ってるから。亮ちゃんが戻ってくるまで、ちゃんと待ってるから」

「うん。……わかった。ごめん、弱気なこと言って。涼音。俺のこと、ちゃんと待ってて」

「うん。もちろんだよ」


 そのとき————パーン!


 お祭りの終わりを惜しむかのように、遅れて一発の花火が夜空に打ち上げられた。

 わたしたちはお互いの手を固く握りしめたまま、その花火の最後の煌めきが消えるまで、静かに夜空を見上げた。



(了)