後少しで家に着くというところで善くんが見えた。

 な、何で追いかけてくるの?

 けど、今は会いたくない。

 善くんは、足が速い。だからすぐに追い付いてきた。


「桜ちゃん!」


 もうこれで恋人は終わりか……。悲しいけど逃げれないよね。


「な、何?」

「ごめん!」


 涙を必死に堪えてたけどもういいや、どうせ別れるんだし……。


「……っ、ぅっ……。ぜ、善くん、わ、私こそごめんね……」


 好きって気持ちを伝えられなくてごめん。

 泣きながら謝る。


「違う、桜ちゃんは悪くない!悪いのは全部俺だから……。俺が桜ちゃんに嫉妬してほしくて、好きって言ってほしくて……。本当最低だよな。ごめん……」


 えっ?そうなの……?

 初めて聞くことにびっくりする。けど……。


「私も、好きって言わなかったから、善くんを不安にさせてた……。恥ずかしくて言えなかった……。ご、ごめんなさい」


 私も善くんを不安にさせてた。