イオンは撫子に連れてこられた部屋の狭さに一瞬言葉を失い、靴を脱いでと言われて玄関で靴を脱ぎ部屋に入る。
知識で日本のことを知ってはいたものの、自分の知っている知識とは違いすぎる。
畳はどこだ?と左右を見ても部屋はこの小さなスペースのみのようだ。
「とりあえずそのコートを貸して下さい、ハンガーに掛けるので。
ニンニク入り希望ですよね?ペペロンチーノで良いですか?」
「ニンニク入りなら何でも構わない。世話になる」
イオンのコートをかけ、腕まくりしながら小さなキッチンで準備し始めた撫子を見て、仕方なくベッドと小さなテーブルの間に座る。
床に座るという経験が無いため、イオンは居心地悪そうに足を動かしていることに撫子が気が付き苦笑いした。



