麗しきヴァンパイアは大和撫子に救われる



「お前はあまりに真面目すぎるんだ。
なぁ、俺を一人にするのか?」

「いいえ、貴方は異国の地まで行き自分で伴侶を見つけられました。
そんな方がお相手ならワイズミュラー家は安泰です。

そしてその大切なワイズミュラー家を陥れようとした者達、その証拠の数々、それは私の死で真実となるでしょう」

「俺はそういう忠義をお前に欲したことなど無い」

「えぇ貴方はお優しい。
ですが思った以上にワイズミュラー家を取り巻く状況は悪かったのです。
ご当主に進言してもなかなか動いては下さらない。

私はただワイズミュラー家を愛する者として、そして貴方の兄のような立場であったからこそ守りたかった。
当主は貴方こそが相応しい。
その為ならあのお方の駒となった事を私は後悔していません」