「無理をしては」
「イオン、私は貴方のことが好きよ」
イオンが驚き撫子を見上げたまま動きを止める。
「大丈夫。さっきお医者様も言ったでしょう?神経も問題ないと。
この場所なら半袖も着られる、問題無いわ」
「撫子、今」
「きっとイオンが助けてくれるって思ってた。
格好よかった、王子様が助けに来てくれたの、私のために」
イオンは立ち上がり、撫子の傷を注意しつつ抱きしめた。
「俺もだ。もっと早くに言うべきだった。
愛している、撫子」
頬を染め潤んだ目で見上げる撫子にイオンは目を細める。
そっと唇が重なり合い、二人は目を閉じたままお互いの体温を感じながら幸せという世界を感じていた。



