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イオンと撫子は離宮のとある一室にいた。
国王は身体を休めるために王宮から離れ緑豊かな離宮に滞在しており、その場所の一室に二人は呼ばれていた。
質素な応接間とベッドルームなどのある部屋だが、調度品は歴史あるものだと撫子にもわかるものが揃えられている。
撫子に祖国への同行を求めたあの日、撫子から笑顔で受け入れられ、それからは慌ただしかった。
バイトは撫子とイオンの穴を埋めるのに撫子が大学の友人がありがたいことに申し出てくれ、夏休み中お願いし二人は日本を旅立った。
イオンとしても偽物の婚約者として撫子を連れて行っている以上、あくまで病床の国王に謁見できればそれで撫子を解放すべきだと思いつつ、この国を好きになってくれないだろうかとの思いが湧く。



