「そういうイオンはどうしたいの?それとも他の女性がいるの?」
「いないが」
「じゃぁ私じゃ不満だから止めさせたいの?」
彼女は強い。
日本人の女性がという訳では無く、彼女だからこその強さなのだと一緒に居て理解した。
そして育った環境から寂しがり屋だということも知っている。
そんな彼女の全てが愛おしい、そう気付いたのはきっと早い時点だった。
単に気付かないふりをしていただけ。
この王の一件を利用したいと思っている自分は、彼女の優しさを利用している。
だけれどもう答えは出ていた。
「撫子、一緒に来て欲しい」



