麗しきヴァンパイアは大和撫子に救われる



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奇妙な同居が始まり、それは思ったよりも二人にとって不思議と居心地良い時間となった。

イオンは家賃生活費などをそれなりに負担することにし、イタリアンの店に週一でバイトをしつつ日本の生活に慣れることを目的に、撫子はバイトに学業に生活に必死だったのがイオンの援助でかなり生活が楽になった。

撫子からの吸血は指から行うことに決めた。
本来首筋からが一番強く味わえるのだが、そんなことをすればイオン自身が理性を保てるのか危うい為、二日に一度少しだけ撫子から血を分けてもらっている。
傷は吸血が済めば自然と塞がるが、そもそもあまり吸血すると今度は撫子が吸血されることでの快感から逃げられなくなってしまう。
それを防ぐためにも指から、それも少量の吸血なのに、イオンは飢餓感が無い事が不思議だった。

ニンニクを摂取しているのが良いのか、それとも乙女の血だから少量でも良いのか。
一番は相性の良い相手だというのなら、それはイオンにとって悩ましいことだった。