「わかった。ご厚意に甘えさせて貰う」
苦悩した顔で告げるイオンに対して撫子の顔は嬉しそうに輝く。
「だが俺がヴァンパイアであること、君は妙齢の乙女であることをわきまえて欲しい」
「滅多に怪我して血を流したりしませんよ」
そういうミスばかりすると思われたのか撫子は不服そうに反論したが、全く意味が通じていなくて思わずイオンは自分の額に手を当てる。
『まぁ、自分がしっかりしていれば良いこと、何よりよくわからない日本ではありがたい申し出なのだから』
イオンは自分に言い聞かせるように独りごちた。
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