麗しきヴァンパイアは大和撫子に救われる



自分の部屋で部屋着のままぼんやり座り込んでいた撫子は、スマホが震えるのを見て手に取る。
そこには友人から合コンに行かないかとの誘い。
元々そういうのには行かないが、今回男性が費用持ち、そして社会人もいて今後の就職活動の相談にも乗ってくれるらしい。
内容から行ってみようかと考えそうだったがお断りの返信をし、冷蔵庫を開けて水出ししておいた麦茶をコップに入れて飲む。

昨夜からの出来事を思い返すが未だに信じられない。
現に彼は部屋にはおらず、なんと私の代わりにバイトに行っている、はず。
何もバイト先から連絡が無いところを見るときちんと行ったのだろう。
だがこの後どうすればいいのか。

あの血の流れる指を金の目が、好物を味わうように私の血をすすった。
それから鈍い痛みが走り、私の傷口に何か刺さっているのを感じながら、同時に経験したことの無い恍惚とした気持ちが襲ってきて怖くなった。