夕方になり、勤務を終えた翔太が病室に来た。

「翔太!」

華が嬉しそうに声を掛ける。

「おぅ、会議で遅くなって悪いな。準備できてる?」

「できてるよ」

「美優ももうすぐで外泊だな。待ってるからな。1日どっかでうちで食事用意するから、航也とおいで?華の退院祝いと美優の外泊祝いしよ!」

「外泊祝いってあるの?」

美優が笑いながら尋ねる。

「いーの、いーの。退院前祝いってことで」

「うん、ありがと!翔太、華またね」

「うん、美優ちゃんと夜寝るんだよ?何かあったら、看護師さんにちゃんと言うんだよ?」

「はい、はい、わかった、わかった」

心配する華をよそに、涙が出る前に強引に翔太と華を部屋から追い出す。

翔太と華はナースステーションに挨拶をして、航也の医局にも顔を出す。

「航也?世話になったな。華、連れて帰るわ」

「お世話になりました」

「うん、気を付けて帰れよ。華、看護師さんから薬受け取った?」

「うん、もらった」

「翔太、肺炎の後は肺機能が低下してるから、疲れやすかったり、息があがりやすくなると思うから、ゆっくり自宅での生活に慣らしていってやって。何かあったら連絡して?」

「あぁ、ありがとな。無理させないようにするわ。あと、美優だけど、今頃寂しくて1人で泣いてると思うから、病室のぞいてやって?出てくる時、涙目だったからさ…」

「あぁ、わかった。任せて。華も心配しなくていいよ。じゃあな」

2人は航也と分かれて帰路に着いた。