でも、元々連絡不精な所があって、自ら宝生に近付くことはなく、中学の頃のように毎日顔を合わせていたら変わっていたかもしれないが、この状態では何も変わらないまま。

 とても有り難かったが、俺はこの時も、宝生の気持ちに応えることができなかった。

 それから二ヶ月程経った秋口、偶然青木と顔を合わせた時に宝生とのことを相談すると、ついこの間彼氏ができたことを知ってしまった。

 やけくそになっている、と青木は笑っていたが、あぁ、そうなんだ、と俺は受け入れる他なく。

 それからは誕生日に一言おめでとう、と来るだけで、成人式の日に久しぶりに会った時も大して言葉を交わさなかった。

 寧ろ、もう宝生の態度は冷たくなっていた。