~宝生唱~

 雅君がお盆休みに帰省してきた夏、私達は再び街のひまわり園に来ていた。

 一年ぶりに来るのは懐かしく、あの頃はまだ付き合っていなかったな……。

「良かった、満開じゃん」

 少し日に焼けた、大きな雅君と手を繋ぎながら、園を回っていく。

「帰ったら、宝生のアパートに行ってもいい? 料理、作りたい」

「……雅君が?」

「普段一人暮らしだから、結構自炊しているし、ちょっと自信ある」