そのうち、人の多い通りに出た時に、宝生は恥ずかし気に手を放そうとしたが、俺が力づくで握りしめていると、そのうち笑われてしまった。 「……雅君、痛い」 「あ、ごめん。でも、離そうとするから」 これから、一緒に時間を過ごしていけたらと思ってる。 今まですれ違っていた時間を埋めることはできないけれど、これからずっと、この先ずっと──。