戻って来た青木を連れると、ようやくアパートを出た。

「なぁ、宝生、可愛かったな」

「そうだね」

「え? 雅もそう思ってんの?」

「まぁ」

 口にするのが恥ずかしく本心を濁すと、青木は隣で笑っている。

「彼氏いるし、俺もいるから、雅奪うなよ」

「そういう意味で言ってるんじゃないから」