飲んで、のまれて 愛されて

私はそれから1ヶ月記念日のことは2人には聞いていない




真実を知るのが怖かったから




それからまた何週間後



私たちは皆いつもと変わらぬ日々を過ごしていた
茉莉と裕太はまだ付き合い続けている


裕太はきっと何も知らない



その日は茉莉が遅い時間の出勤だった
早い時間からは私と永遠の2人が出勤していた




永遠は最近気になる女の子がいるらしく
よく恋愛相談に乗っていた




その好きな相手には彼氏がいると


その話を聞いた時、私はふと茉莉のことを思い浮かべた



そんな話をしていると遅出出勤の茉莉がいつもとは違う雰囲気の服装だった



大きめのTシャツにショートパンツを履いた格好






…私はそのTシャツに見覚えがあった



永遠の誕生日に私がプレゼントに送った服




永遠が好きなブランドのTシャツだったが
そのTシャツは毎月新しいデザインが発売される


オンライン販売はやっておらず大量生産もしていない
卸す店も限られている個性派ブランド
私たちが住む関西にはそれを取り扱っている店舗は3店舗しかない




そんな個性派ブランドの服を茉莉が購入したとは考えられない



それに永遠の誕生日は4ヶ月前
その月に出たデザインのTシャツなんて茉莉は絶対に持っていなかった。