飲んで、のまれて 愛されて

私が店長になるにあたってきっと茉莉は嫌なことも多かったと思う。



私はアルバイトとしてこの店に入社してから1年で店長になることが出来た。



茉莉にその意思はなかったにしても
茉莉はもうこの店で約2年アルバイトを続けている

いわば私の先輩に当たるのがバイトリーダーの茉莉だったのだから


あとから来た私が茉莉の上の役職に着いてしまった



きっと思うことはあっただろうに
朱羽になら任せられる!と
手を取り合ってお互い頑張っていこうと約束した親友の茉莉。



そういえば昔、社内恋愛が嫌いだと一蹴してしまった私に気遣って
茉莉は裕太と付き合っていることを私に隠していた


だがふとしたことから私が2人で家に入るところを見てしまった。



見ていない振りをすることも出来たがこのモヤモヤを抱えたままの友達関係はしんどいと思い


茉莉に電話をして家に入る二人を見てしまったと正直に伝えた



2人が両思いなことは知っていた。私は社内恋愛が嫌い……。でも親友の幸せを応援したくて私は2人を応援することを決めていたのに


隠れて付き合っていたという事実を目の当たりにした時私は自分の滑稽さに心底笑えた



親友として朱羽にはなんでも相談できると
言ってくれていた茉莉が、私に嘘をついていた
でもそれは私のための嘘、裕太を守るための嘘だった