飲んで、のまれて 愛されて



「私が来るから逃げた…ってことですか…?」



茉莉の明らかに謎な行動に信頼関係や友情関係の亀裂が入るのではないかとヒヤヒヤしていた




ーーーー俺には見られたら困るから2人で逃げた様にしか見えへんかったけど…



「いやいや!茉莉は裕太と付き合ってるんですよ???やのに永遠とそんなやましい関係…なんか…ねぇ!」



ーーーそう思いたいよな。とりあえず朱羽が関係ないことは分かったから、ちょっと茉莉のことは探り入れたりだけしといてもらえる??



「もちろんです。お忙しいところありがとうございます」


ーーーー朱羽…は思うこと多いと思うけど、なんかあったらなんでも相談してな。抱え込む癖あるの分かってるから



「ありがとうございます。ちょっと冷静に色々考えてみます。お疲れ様です……」


そう言いながら私は佐藤さんとの電話を切った



店はもう開店時間になっているが
まだお客さんが来なかったので私は週末に向けての仕込みを開始した



仕込み作業は嫌いだ
黙々と作業してしまうから嫌なことばかりが頭を巡る。