飲んで、のまれて 愛されて

「純くんは知ってるんですか??」



朱羽ちゃんは俺に問いかけた


俺は知らない…
怖くて聞けない



その質問は嵐の闇に触れることになるから



俺に嵐の闇に触れる勇気は無い


俺に嵐を失う勇気は無い


「いや、きっと俺は本当の理由はしらない」


俺が嵐から聞いたのは
本名って怖いやん?しかも、蘭ってなんかかっこいいし!!
なんておちゃらけた理由だった



でもきっとこれは本当の理由では無い



「私、何となくわかる気がします」



「え!?教えて欲しい!!」


咄嗟に言葉が出た俺だが


俺は嵐の闇に少しだけ触れる気持ちを整えた
そして朱羽ちゃんの言葉に息を飲んだ





俺はその時初めて朱羽ちゃんからFlowerの店名の由来を聞いた




「Flowerはスタッフが既に色とりどりの花なんです」


朱羽ちゃんの言葉の意味がわからなかった


「え?どう言う意味?」


俺はその時Flowerのスタッフには皆花の名前が入っている事を教えられた


意識したことはなかったが確かにみんなに入っている

たった1人嵐を除いて



話しながら朱羽ちゃんはそっと嵐の眠るベットに腰掛けた



朱羽ちゃんは
嵐が居場所を守るためにしがみついている気がすると言った


もう2度と大切な居場所を失わないように


そんなの納得できるはずない