飲んで、のまれて 愛されて

それは同業との連絡も似たり寄ったりだった



特に女を売る仕事には必ず努力に応じてファンが着く



そのファンが皆が皆、真っ直ぐな愛とは限らない
歪んだ愛を持つ人も多い


もちろんメリットも多くあるとは思う
ただ、普通の恋愛より少し立ちはだかる壁が多いだろう


なら最初からそんな危ない橋渡らなくていい




嵐が典型的な例だ


嵐は店内では蘭というキャラになりきっている
そんな蘭に恋するお客様たちは少し歪んだ愛を持つ人が多い


きっと、蘭のミステリアスな雰囲気と整った容姿、底知れぬ闇と優しさが無意識のうちに何かを引き寄せてしまっているんだろう



きっと蘭の彼女になった人は辛いことが多いだろうな


だから嵐は彼女を作らない
嵐が蘭を名乗る限り…。



どいつもこいつも嵐のこと何も知らん癖に…。




俺はちらりと背を向ける嵐に目を向けた




「朱羽は蘭のことどう思う?」


気付けば朱羽ちゃんにこんな質問をなげかけていた


この子も大多数のうちの1人なんだろうか



朱羽ちゃんは蘭の本当の名前を知っていた
蘭を嵐とそう呼んだ。


そして朱羽ちゃんは嵐が重い何かに縛られているみたいだと言った。
なぜ優しくないフリをしているのか?と…