飲んで、のまれて 愛されて



指先に神経を集中させてしまい
ピクっと指に力が入った



「ん…?」

その力で蘭くんは起きてしまった



私は咄嗟に触れていた手を引く


「す、すみません!綺麗なタトゥーやなあって…。」



「あぁ…店では隠してるもんな。ゴメンなびっくりさせて」



そう言いながら蘭くんは自分のタトゥーを覆い隠すように手を触れた




「いやいや、びっくりするほどのこと違いますよ、私も入ってるし…」


少し動揺して自らの手にギュッと力が入る
その時に私は右手で蘭くんの手を握っていることを思い出した


「うわ!ごめん!!!」


蘭くんも力を入れられて
手を繋いでることに気付いたらしい

謝罪とともにバッと手を離した


「そんな謝らんくても、気にしてないですよ…!」



「いや、彼氏とかおったら俺殺されるし…。ん?家に連れてきてる時点でアウトなんか…?あ!いや!ここ俺の家やけどそんななんかややこしいことした訳ちゃうから!!!!」



さっきの手を握っていた1件から寝ぼけていた目が覚めたのか家に連れてきていることから説明しなければならないと思った蘭くんはかなり焦りだした



「だっ!大丈夫です!私酔ってぶっ倒れましたけど記憶…飛ばしたことないんです!昨日のことも覚えてます!むしろ迷惑かけてごめんなさい…」



私はお酒は弱いが記憶を飛ばしたことはまだない

なので昨日の記憶も全て残っている