飲んで、のまれて 愛されて

蘭くんにはオオカミのタトゥーが施されていた



オオカミは現存しているイヌ科の動物の中ではダントツに大きい種

人間になど飼われずに野生で行きる過酷で自由な生き物


一匹狼なんて言葉があるけど

実際のオオカミは一夫一妻性
パートナーと子供での家族で行動する



だからこそそんな中わざわざ単独行動をする人のことを一匹狼と言うそうだ



雄は雌が死んでしまうと餌を食べなくなって絶命する事もあるとか



そんな仲間思いでパートナー想い、家族思いの肉食動物

それがオオカミ



私は小さい頃に母から貰った初めてのぬいぐるみがオオカミのぬいぐるみだった


どこにいくのも連れていきたがったんだとか



そんな経歴もあってか私は狼が好きだった
あの鋭い眼光と気高い気品


でも目の奥にある優しい瞳が



だから蘭くんに触れられても嫌じゃないのかななんて


こじつけか…


ただただ蘭くんからは下心とかやましい感情を感じない




だから…この手も嫌じゃない




右手で蘭くんの手を繋ぎながら左手でそっと蘭くんの背負うオオカミに触れた







「…ん、???」



そっと触れたつもりが蘭くんは首をコテンと傾げて私の手に頬を持ってきた


蘭くんの頬と首に手のひらが挟まれてしまった



…しまった、動けん…



どう手を抜こうかと考えていると手の平にプクッとした感触が少しだけあるように感じた



その感触がなにか気になり手に神経を集中させた