…なんだかとても懐かしい夢を見ていた気がする
でもなにか思い出せない
なんだか暖かいものに包まれているようなそんな感覚
私の人生はとても豊かなものだった
人並みに辛いこともあっただろうけど
今こうして何不自由なく生きている
それだけでとても幸せで豊かだ
なのに…
たまにとてつもなく寒くなる
体の芯から冷えきってしまうような感覚
真っ暗な闇に落ちれば落ちるほど感じる温度は低くなる
はずなのに今日は
闇に落ちていたはずなのに
ふわりと体が宙に浮き
何かに包み込まれたような感覚だった
その感覚が心地よくて
私はその温もりにピタリと身を寄せた
心地良さからか
いつも以上に深く眠ってしまった気がする
目を覚ますと
「…どこ?ここ??」
自宅では無いことは確かやし
下手したら、いや、確実に女の子の部屋でもない
しかも…
明らかに見覚えのないTシャツ
そして私は自分の右手がなにかの力で自由に動かないことに気づく
そっと右手の先に目をやると明らかな男性の手
その男性はきっと私の手を優しく握ってくれていたのだろう
全てがわかった
ここが誰の部屋で来ている服の持ち主もどういう経緯でここにいるのかも
そして私はもうひとつのことに気付いた
昨日は隠れて見えなかったけど蘭くんの首からきっと腕にかけてのタトゥーが見えた
…オオカミ??

