飲んで、のまれて 愛されて

俺は女の子をエレベーターで送り店に戻ろうとした時だった


ーーーーー080-xxx7-


着信音共に携帯のディスプレイに見覚えのある番号が表示された




タバコに火をつけながら電話に出る



ーーーーーもしもし!?!?振込は!?



開幕からこれかよ


「ちゃんと8万振り込んだわ」


相手は元嫁
俺は毎月一日に子供の為に8万を振り込んでいる


ーーーーーーーは?ないから!!それでも父親ぁ!?


振り込んでないなんて、そんな訳ない
それに一日に振り込んでるのにその日に入るわけが無い
この話も説明ももう3回目



「お前酔ってるやろ、朱那(しゅな)の面倒は??」


今はもう4:00前
こんな時間に酔っ払って誰が娘の面倒を見れるのか


ーーーーー朱那のことは彼氏がみてくれてるからだいじょーーぶ!!


他人の子供を面倒見れるなんて甲斐甲斐しい彼氏さんですね

この言葉を俺はグッと飲み込んだ


「前にも言うたけど、今週中には振り込まれると思うから待っとけ」


ーーーーーーーーはぁ!?明日新作の発売日やのに!!


元嫁の言葉に耳を疑った



「おい!あれは朱那のためのものでお前のちゃうぞ!!」





勢い任せて大声を出してしまった

俺が大声を出すと
ため息混じりにあいつは電話を切った

こいつは前からそうだった
離婚した後も定期的に電話をかけてきては金の無心ばかり

朱那の為に養育費は払い続けているが
正直どこに使われてるかなんて分からない
だから2歳の子供に対して8万という多めの金額をはらい続けている