消火活動が終わり、次々に生徒が化学室へ戻っていく。


「あの、先生。さっき転んで捻挫しちゃったので、保健室行ってきます」

「分かった。1人で大丈夫か?」

「俺が責任もって連れて行きます」

「了解、無理すんなよ」

「はい」


先生が化学室に戻り、私は廉くんの腕を借りながら保健室へ向かう。


「げ、先生いないじゃん」


とりあえず保健室の中に入る。


「ソファ座ってて。俺湿布探すから」

「え、あ、うん。ありがと」


湿布湿布……と唱えながら廉くんは色んな引き出しやら戸やらを開ける。


「あ、あるじゃん」


湿布を1枚取って、こちらにやってきた。


「脱いで」

「へっ?!」

「ん?」


怪訝そうな顔をされる。


「いや…湿布貼るから上履きと靴下脱いで、って…」

「あ、うん、そうだよね!えっと、うん!分かってる!」


焦った。急な脱いでは心臓に悪い。


「何変なこと考えてるの?2人きりの保健室で」


捻った方の足の上履きと靴下を脱いでいると、そんなことを言われる。


「変なことって!別に、そういうんじゃないから!」

「はいはい」


廉くんは丁寧に湿布を貼ってくれる。