…仕事じゃなかったのかな。


「乗って。光探しに行こう。」



「彗、ごめんっありがとう」


今にも泣き出しそうな私は、急いで車に乗り込む。


「頼ってくれて嬉しい」



って慰めるように頭を撫でてくれる。


こんな時でもしっかりと高鳴る胸。


「どこにいるか目処はついてる?」



「…たぶん、紺青の海辺にいると思う」


それはお母さんが亡くなる前、家族でよく遊びに行った車で1時間ほどの場所にある海岸。



電車でも行ける場所なんだけど、もう終電はない。



心当たりのある場所は紺青海岸しかない。



「じゃあそこに行こう。」


すぐナビを設定して、車を発進させてくれる彗。



必死に窓の外を見て、光の姿を探す。



「あれ、光じゃない?」



ぽつりと街灯の下、1人で座る後ろ姿。


…絶対光だ。