「ルナさんタクシー来ました。行きましょう」
マネージャーらしき人の声。
「じゃあね!みんな超よかったよ!」
そう言って帰って行った。
…なんかすごい剣幕で睨まれたけど。
メンバーも俺らもシャワー浴びに行くかー、ってみんな私に頭だけ軽く下げて去って行った。
廊下に彗と私、2人きりになった。
「改めて、どうだった?」
流れる汗、外しているイヤモニが彗の鎖骨あたりで揺れて、やけに色っぽくてドキドキする。
いつもの彗とは全然違う。
言葉では表せない、大きな壁を感じて、どう会話すればいいかわからなくなる。
「…みんな彗のことかっこいいって言って、泣いてる子とかいたよ。すごいね!」
「海は?」
「へ?」
「…俺のことかっこいいとか言ったことないよな。」
黙って見つめてくる彗はどんな感情なのかわからなかった。
どこか怒りを含んでるようにも見えたけど。



