「彗くんはいつも忙しいのに、海のこと大切にしてくれるな。」
あんな子いないよ、って微笑むお父さん。
「お父さんとは大違いだな」
海外を飛び回って、20歳の私と15歳の光をずっと家に残していることを後ろめたく思ってるみたい。
「そんなことないよ!お父さんは、世界一のお父さんでしょ!!」
「ははっ、本当海はどこにお嫁に出しても恥ずかしくない、素敵な女性になったな。」
そう言って、私の頭をぽんぽんと撫でる。
…どことなく彗と似てる気がする。
「彗くんが海のこと貰ってくれたらなぁ」
「なっ、」
確信犯だ。
光もお父さんも、ただ漏れている私の気持ちを知っていて、からかってくる。
…まあきっと半分本当なんだろうけど。
それくらい彗はみんなに好かれる人なんだ。



