「ただいま〜」
あれから数日、体調もすっかり良くなって、いつも通りバイトに行って帰ってくると
「海、おかえり。」
ソファに座ってくつろいでいるお父さんの姿。
家族の私がいうのもなんだけど、なかなかイケてるおじさまだと思う。
「お父さん!明日帰ってくるんじゃなかったの?」
「急遽予定が変わったんだ。」
お父さんは外資系の商社に勤めていて、ほとんど家にいなくて海外出張をしている日々。
こうやって会うのは…一ヶ月ぶりとか?
「そうなんだ」
「体調大丈夫か?」
きっと光が伝えたんだろう。
心配かけるから言わなくていいのに…
「うん、もうすっかり。」
「ならいいけどな…彗くんがいてくれてよかった。」
「え?」
「彗くんが看病してくれたんだろ?」
光ったら、そんなことまで…
「まあ…」



