「じゃあおじさんは?」
「お父さんは私たちのために仕事してくれてるから…」
今日だって、1週間中国に出張に行って頑張ってくれてるの。
「はあ…じゃあ1人で頑張ってる海は誰を頼るわけ?」
落とされる疑問に、戸惑う。
「…、それは」
誰を頼る、なんて考えたことなかった。
「俺はこんなに海に頼りっぱなし」
私を瞳に映して、優しくそう言う。
情けないよって呟く。
「それは、しょうがないよ」
忙しいんだもん。一日24時間じゃ足りないほどに。
「海も俺を頼って」
向かい合って、ストレートに飛んでくる言葉。
「でも、」
「反論は聞かない。わかった?」
有無を言わさない、釘を刺すような視線。



