「海ちゃん大丈夫?」
心配そうな陽子ちゃんの声、
「無理せず、帰った方がいいよ」
同じく、心配そうな明里ちゃん。
そんな優しい声すら頭に響いてズキズキする。
「うん、帰れそうなら帰るね…」
力なく答える私。全ては彗次第だ。
彗が来れないなら、私は帰るわけにはいかない。
朝、なんとなくいつもより体調が悪いような気はしてたんだけど、誤魔化しながら電車に乗って大学に来たら、突然しんどくなってきた。
今は二限が始まる前。
講義十分前、一気に騒がしくなる講義室。
隠しきれないオーラを放って現れた彗。
「今日も後光がさしてるぅ」
「あー、かっこいいねぇ」
…なんだ、今日彗来れたんだ。だったら私は休めばよかったなと落胆する。
でも、彗が三限来れないなら、帰るわけにはいかないし、聞いてみよう。



