「覚えてねーの?中1の時、おばさんが亡くなって、ずっと落ち込んでた海をダンスのコンテストに無理矢理招待したら、すげえ喜んでくれたこと。」


…そういえばそんなことあった。


お母さんが亡くなって、1ヶ月私は学校にも行けず落ち込んでずっと閉じこもっていた。



そんな時あった彗が参加するダンスコンテストに無理矢理家から引っ張り出されて、ついていくと、ステージ上で輝かしく楽しそうに踊っている彗の姿があった。


それがかっこよくて、彗の楽しいって気持ちが伝わってきて、私もつい笑顔になってた。




「俺、あの時の海の笑顔が忘れられなくて、アイドルになったんだ」



「…私のため?」



「そう。ああやって俺が笑って輝き続ければ、海は笑ってくれるじゃん。それに辛いことがある人たちを笑顔にしたかった。」



「彗…」



「そういうのが出来るって、教えてくれたのは海」



くしゃって笑う彗。


何気ないその一言に胸が疼く



そんな話初めて聞いたかも。



ただ事務所に入った流れで、アイドルになったんだと思ってた。



「…彗」