「海、答えて」
ぐん、と低くなる声。
分かってる。
私が彗を頼らないから怒ってるって。約束守らないからでしょ?
その真っ直ぐさが辛い。
「…彗は、何も分かってない!!」
それだけ叫んで、駅の方へ走りだす。
この感情が怒りなのか、何なのかわからない。
海って呼ぶ声だけ聞こえて、あとは誰も追いかけてこなかった。
それでいい。
私がまた好きって言ったら?あんな風に困っちゃうでしょ。
ルナさんにヤキモチ妬いて泣いちゃったって言ったら、引くでしょ?
だから、頼るとかそんなんじゃないんだよ。
本当のこと言ったら、お互い困るんだよ。