「ふっ、母の日かよ」


笑いを堪えきれていない光が、小さく呟く。


彗には聞こえてないみたいだけど。


「海の好きなハンバーグ作ってやる!」


得意げな笑顔


その言葉に、ちらっとキッチンを見ればそれらしき具材たちが並べられていた。



「…彗料理なんてできるの?」



不安でしかないんだけど…


包丁すら握ってるところ見たことないよ?



「…できる!はず!」


なんですか、今の間は…



「はぁ、心配…私も手伝うよ」


大人気アイドル様に怪我でもされちゃ困るのよ…



そう言ってキッチンに向かうと、


「いい!今日は俺が全部する」


って、全力で阻止された。


「じゃあ俺は勉強してるから出来たら呼んで。」


あー、怖い怖いって、リビングを出て行って、自分の部屋に上がっていく光。