「え、」
「あいつ最近様子おかしかったから、なんとなく」
「さすがです…」
メンバー1、周りをよく見ている流さんには何もかもお見通しだったみたい。
彗って隠し事できないくらいすぐ顔に出るし。
ん?
なんかさっきからすっごい視線を感じる。
…彗?は寝てるし、流さんのほうに顔を向ければ穴が開くほど見つめられていることに気づく。
「海ちゃんってさ、よく見たら綺麗な顔してるよね」
ゆっくり近づいてくる流さんに、思わず体がのけぞる。
え?なんで?
「…え?流さんっ?」
「しー、いいから」
とてつもなく焦る私に、唇に人差し指を当てて、したたかに微笑む流さん。
ど、どういうこと?
まだ何も理解できてない私に対して流さんの謎の企み続いていく。
「なんか可愛い」
そんな爆弾発言と一緒に、さらに迫ってくる顔。
運転席と助手席で盛り上がる2人は何も気づいていない様子。
近すぎてぎゅっと目を瞑った瞬間。



