「さむっ」


バイトが終わり家まで歩いていると、夜風が通り抜ける。


身を縮めて、両腕をさする。服装間違えたかなあ。


この間まで夏だったのに、夜はだいぶ肌寒くなって来たなぁ。


今日は大学から直接バイト先に来たから、歩きなんだよね…



するとプッという軽いクラクションが聞こえて、


車道を通りかかった白い高級車を見ると、ちょうど私の隣でハザードをたいて止まった。


すると運転席の窓が開いて、



「海ちゃん」



マスクに帽子をかぶっている男の人が顔を出して来たんだけど、


…彗、ではないし…



「…あ!銀さん!!」



そういうと、嬉しそうに正解と微笑んだ。


夜でも眩しい…オーラが違うよ。


「俺もいるよー!」



銀さんの奥、助手席から顔を覗かせたのは相変わらず元気な、恒さん。