「ど、どうぞどうぞっ」
大人気アイドル星野彗のご本人登場に、2人は大興奮で簡単に見放されてしまった。
その言葉を聞いて、なんの躊躇いもなく私の手を引っ張って大学構内を堂々と歩いていく彗。
すれ違うたくさんの人たちが見てる。
慌てて止めようとするけど、その力に適うわけもなく。
「ちょ、」
やばいよ。
みんなざわざわしてる。
「ちょっと、こんなのまずいよ!」
彗は無視して、ズンズン進んでいく。
大学の外に出るでもなく、大学の駐車場でもなく、押し込められたのはゼミなどで使う小さな講義室。
「ねぇ、バレたら、」
どーするの、って言いかけた時、ずっと背中を見せていた彗が勢いよく振り返って、
「そんなのどーでもいいんだよ!!」
ビクッ
大きな声でそう叫んで遮られる言葉。
悲しそうな、余裕のない目をしてる彗。
思わず身体が震える。



