「おまたせ」



あれから彗とは全く連絡を取ってない。


気まずくて、どうすることもできない。



「海ちゃん?」



「…あ、すみません。」



その声に振り返ると暁月さんの姿。


…そうだ、私暁月さんとご飯に来て、お会計してくれてるのを外で待ってたんだった。


「大丈夫?」


「大丈夫です!…ごちそうさまです。」


あまりもぼーっとしてるから心配されちゃった。


結局、スマートに奢ってくれた暁月さん。


暁月さんおすすめのイタリアンはおしゃれで凄く美味しかった。


「どういたしまして」


「あの本当にいいんですか?」


「いーのいーの」


俺が奢りたいんだから、って。


…こんないい先輩なかなかいないよね。


「ありがとうございます」



「…海ちゃんってさ、本当に星野彗のファンじゃないの?」


「え?」


疑うような目に、固まってしまう。