「海って……まじ、神だな!」 今日一のとびっきりのくしゃくしゃの笑顔が私に向けられる。 「っ、…私だってやりたくてやってるわけじゃ、」 「え、何?」 聞こえなかった、と近づいて来るもんだから、思わず距離を取る。 「な、何もないよ!帰る!早く寝なよ!」 振り返ることもせず、彗の部屋を出て、自分の家に戻る。 自分の部屋のベットにダイブして、天井を仰ぐ。 「はぁー…もう、」 彗はいつも心臓の悪い。 何も考えないで、思ったことをストレートに伝えて来る。 …あんな笑顔、ずるいよ。