同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

「証拠ですか?わかりました」


その言葉に、わたしは藍を二度見する。


…証拠って、…なにかあるの?


すると、わたしの肩に手を添える藍。

そのまま、右手でわたしの顎をくいっと持ち上げると――。


なんと、紅羽さんの目の前でキスをした…!


「これが証拠です。女嫌いの俺がキスできる相手なんて、婚約者のうみだけです」


振り返って、紅羽さんに目を向ける藍。

紅羽さんはというと、まるで魂が抜けたように意気消沈していた。


「そ…そんな。オレの女神が……」


初めの元気はどこへやら。

紅羽さんはおぼつかない足でその場から去っていった。


「大丈夫かな…、紅羽さん」

「あの人、遊び人のくせに、本気になった女に振られるといつもああだから」

「…そうなんだ」

「心配しなくたって立ち直りも早いから、気にすることじゃないよ」