~恵口希花~

 丸一週間、雨は止んだまま、雨の街は日に照らされていた。

 久々に晴れた、清々しい、と口にするクラスメイトはいたが、私はずっと消えてしまった嶋原君のことを心配していた。

 隣の席は空いたまま授業は進められ、チラチラ横を気にしながらも、私なんぞじゃどうすることもできない。

 そしてザーッと強い雨の音で目が覚めた今朝は、七月の最終月曜日だった。

「おはようございます」

「あら希花ちゃん、早いわね」

「……雨、降ってますね」

「そうねぇ、一週間ぶりかしら」

 私がリビングのカーテンを開けて外を伺うと、おばさんも隣に立ってじっと空を見上げる。

「雨人の人達も帰って来たのかしらね」

「雨人の知り合いって、いますか?」

「私達は知らないわね。でも、雨人について研究している、研究所はこの近くにあるわ。希花ちゃんはいるの?」

「はい、クラスメイトに」

 雨人についての研究所? 一体何だろうそれは……。