俺の運命の人

『ほんならまた来るね!』
姉が立ち上がったから俺も続いて立ち上がった。

『またね!』

ひぃじいチャンの墓に手を軽く上げて、俺と姉は車に向かった。
母親は墓参りなんかしない。ただ俺達を乗せて来るだけ。
自分の親の親なのに。
本当に変わった奴だ。


『ぢゃー帰ろうか!』

本当に調子いい奴。

『早くね。』


姉が母親をシカトするから何だか俺が返事しなきゃいけないような気がいつもする。

ピピピッ


俺の携帯がポケットでなった。
奈々からだ。


…剛君まだぁ〜??…


…もう家に着くから電車乗っても大丈夫だょ!…

…わかったぁ〜!…

奈々が俺の帰りを待っていたのかと思うと嬉しさがこみあがってきた。

『剛〜着いたわよ。また連絡しなさいよー』

母親から言われ家の前に下ろされた。
『おう』

それだけ言うと俺はさっさと家に入って準備をし始めた。