俺の運命の人

『剛〜仕事頑張ってるの?』

母親づらしたこの女は大嫌いだ!
俺達を捨てたくせに。
『まあね!』

『久々夜ご飯でも寄ってけば?』


本心なのかただ母親づらなのか。

『夕方から予定あるから。』


『そう、また今度誘うわね』


絶対誘っても俺達と母親の間に16年開いた空白の時間が邪魔して実行される事はないだろうに。

『夕方までには俺帰るから急いで。』

家族ごっこなんかしたくない。

早く奈々に逢いたい。

『わかったわよ〜』



墓参りをおえるまでというか母親と別れるまで姉は母親と口を聞かなかったし母親も姉に話けなかった。

そんなきまづく重い空気の中で俺の携帯だけが明るい音色で鳴っていた。


さめきった車内の中で奈々が俺の携帯を鳴らすたびに俺だけの温度は確実に上がっていた。

なぜなら