「でも、ほら図書館だから……」




「どこだって関係ない。オレは夏菜子が好きだと思った時にすぐに夏菜子に伝えていた。

 場所なんて関係ないんだよ」




 何だか普段と雰囲気が違って見えた。



 男らしくて、格好良くて、一途で、たくさんの愛情が見えてくる。



「う、うん……でもね……」

 


 そこまで言った所で、藍の唇により夏菜子の唇はふさがれてしまった。





 普段と違うキス。






 長くて濃厚で舌が溶け合って吐息が漏れて唾液が流れてくる程のキスだった。







藍はゆっくりと唇を離すと、今言いかけたのは何? と。


「でも、でも……簡単に好きに何てならない……んだから……って」



そう言う夏菜子の顔は首元まで真っ赤に染まっていた。



「説得力が無いな」




 そう言って、もう一度藍からのキスを受け入れた。