俺は父親が嫌いだった。憎かった。

けれど、幼い頃は違った。


“あの日”を境に“僕”は変わった。

変わらなくてはいけなかった。



僕は皇族で、
第一皇子という地位に生まれた。

父親は皇帝で、母親は物心つく前に死んだ。
妹はいなくて、弟が2人。

弟達は人懐っこくて
使用人にも国民にも好かれていたと思う。

僕もそんな弟たちが大切だった。