「……え、だって、空き教室で…」


「……ああ、それ。高橋に告白されて、断った後なんか『前髪に埃付いてるから取ってー』って言われた」


「……あれ?」


今度は私がぽかんとする番。

思い出した、と淡々と言う彼に私は首を傾げた。



それって、それって……。



「……妬いた?」

「えっ」



図星のことを指摘されて、思わずギクリとなった。そんなの、もう肯定しているのと同じ。



「……勘違いして妬いたんだ?かーわい」



「っ……、勘違いして悪かったですね……っ!」



でも、私だけが悪いなんて言われちゃ困る。最初は涼が悪い。



「あんなにいきなり冷たくなったじゃん……っ」


「……だって、羽衣が『離れた方がいい』とか言うから」



少し拗ねていて、可愛いから許したくなってしまう。


「だって、高橋さんとお似合いだったから……」