不器用で意地っ張りな私とは正反対で、誰にでも笑顔を振りまけて、みんなから人気で。


素直に甘えることだって当たり前のように出来る人、だから。




そう無理矢理納得させたら、もう一粒頬をつたって溢れ出す。



ぽろぽろと零れるものをどうにか止めようとごしごしと手で拭うと、目がひりひりと痛む。


……絶対後で腫れるやつ。



「……っ、……はあ…」





ーー本当、今日はついてない。




なんで、こんなに振り回されなきゃいけないの。




「……もう、やだ」





ふたりを閉じ込めている教室から逃げ出すように、背を向けて走った。